グレン・ミラー生誕地協会日本支部の創立30周年おめでとうございます。
私はグレン・ミラーの音楽に魅せられて以来、半世紀以上に渡り彼のレコードを集めてきました。LP盤やCDに加えて、本格的にミラー楽団のSP盤を集め始めてから30年ほどになります。
そんな私が紹介したいのが、昭和16年7月に我が国で発売された1枚「夜明けのセレナード」/「月光のセレナード」です(日本ビクターVA-10086:解説はジャズ評論家故野口久光氏)。米国のブルーバード盤(RCAビクターの廉価レーベル)から2年以上遅れて発売されたことになりますが、日中戦争は泥沼化しており、米国との雲行きも怪しく、発売される洋楽レコードも少なくなっていた時期です。この盤を含めて計4枚のブルーバード盤が太平洋戦争開戦直前(1枚は開戦後の昭和17年1月)に日本ビクターから発売されています。
ジャズは戦後になってから進駐軍と共に日本に入って来たという誤った説が流布していますが、昭和初期から国内プレスでかなりの洋楽レコードが発売され、ジャズは戦前の我が国に浸透していました。
音楽評論家瀬川昌久氏(令和3年12月に97歳で没)は、「戦前の統制下でも我が国のバンドは『イン・ザ・ムード』等のミラー・ナンバーを演奏していた」と生前仰っておられました。ミラー・サウンドが、我が国でも戦前から聴かれていたという事実を皆様に知っていただきたくご紹介いたしました。
"Miller Music Lives Forever!"